今更だけどさ座高検査って何だったんすか
この前、突然思った。
小学校のときとかにやっていた座高検査って何の意味があったんすか????
身長と体重に関してはその重要性はよくわかる。それらの数値からBMIが算出できるし(小学生の頃はローレル指数だった)、周りと数値を比較すれば、自分が痩せ体型なのか、太り気味なのかも判断することができる。当時の自分にとっても最も知りたい身体検査の項目であった。
これを二大身体検査項目と呼ぼう。
そこに座高検査が加わっていた訳である。座高を測定したところで何がわかるのだろうか。自分の足が長いか短いかだけしかわからない。その数値が学校の席替えの基準になったりしていたのだろうか。いや、そのような記憶はない。身体検査の項目で席替えの参考にされたといえば視力検査ぐらいであったはずだ。小学校の先生で座高を見ていた人なんていないだろう。座高検査は何も知り得ることはない蛇足である。それが二大身体検査項目に加わろうとしていたのだ。
高学年になり、割合を習うと、中には座高を身長で割って座高が何パーセントか求める頭の良い子も現れた。それを求めてどうなるかはわからないが。もしかしたら座高測定はそういったひらめき力をつけさせるものなのかもしれない。
どうやら、国も座高測定は意味ないものだと最近気づいたらしい。文部科学省の学校保健安全施行規則が改正されて、平成27年度から座高測定が廃止されるそうだ。
理由は意味がないから。
70年以上も行われていて、やっとその意味のなさに気がついた。
ちなみに、ぎょう虫検査もなくなるそうだ。
つまり、これからの小学生は座高を測らなくて済むらしい。
残念ながら二大身体検査項目に座高は加わることができず、70年の生涯を終えたのだ。
人生そんなものである。
身体検査日は普段と違う
少しワクワクした気分を味わうことができる。
算数の授業をしていたときに、隣のクラスの子が知らせに来た。
2組の身体検査が終わりました〜
僕たちのクラスの番になった。
廊下に並んで保健室に向かう。
他のクラスは授業中である。
廊下では喋らないように言われる。喋ったら身体検査を受けさせないと脅された。いま思えば、身体検査を受けさせない訳にはいかないとわかるのだが、当時の自分にはみんなと受けられないことはとても罪が重いものに感じた。
廊下から他のクラスの授業の様子が見える。
教室の中の子と一瞬だけだが目が合う。
僕は授業の時間帯に教室の外にいるという優越感に浸ることができた。
僕の勝ちだ。
保健室に着く。
前のクラスの女の子がまだ検査をしていた。だから僕のクラスも女の子から検査をするようだ。
男の子は廊下で体育座りをして待っていた。
喋らないように。
10歳の僕にとっては修行であった。
ついに身体検査が始まる。
パンツ一枚になりみんなで並んだ。
前の人の数値が気になるから、待っている子たちはみんなで検査している人を見た。だから列はすぐにバラバラになる。
身長を測るときは思いっきり空気を吸う。胸を張って少しでも大きくする。中にはつま先立ちをしているやつもいる。すぐにバレる。
体重計に乗るときは少しつま先立ちをする。少しでも浮けば体重が軽くなると思っていたからだ。もちろんそんなことはない。
身体検査が終わり、教室に戻る。
教室まではいちばん遠い道のりで戻る。
授業中の学校。廊下は閑散としている。
小さな探検であった。
配膳室の前を通った。カレーの匂いが漂ってきた。アツアツのカレーの匂いだ。
そうだ、今日はカレーの日だった。
教室まで戻る足が早くなった。
はあ、小学生に戻りたい。。。
おわり